思索記

ものを考える。詩。

2022-01-01から1年間の記事一覧

24歳

人生の都合、歳上の他人と話す機会が多かった。17歳の頃からそんな風だったから、会う大人、会う大人に「若い!」と言われた。最初は年齢より大人に見られていて、「そんなに若いとは思わなかった、大人びてるね」と言われてるんだと思って、なんだか嬉しい…

エンターテイメントについて

憂鬱な気分を言い訳にしてうちに引きこもることが自分の性分だと認めたくはないが、手前勝手にそのように振る舞うことで、掴めていたはずのたくさんの何かや誰かが、確かに僕の手をすり抜けて落ちていった。根底のナルシズムと向き合うことは怖い。弱いまま…

よくよう

よく欲に囚われて 両翼に醤油が飛び散った ごわごわになるまで洗濯して 選択して その先には何もないよって教えてくれた全ての物語を素通りする 加速してブレーキ 擦り切れてもう止まることもできない 「勝手だ。」 置いていかれる 鼻歌も歌えなくなった そ…

映画の切れ端

映画の切れ端 強がってつむぐ フィルムが擦り切れるまで 何度も繰り返す ソウゾウの産物 息をしてるのなら あなたも。 それでは到底届かない場所へ 先を行く人 きっと僕より早く死ぬ 抜かしていく人 きっと僕より長生きする 同じ道路水平線 釣り針が引っかか…

皮剥いて

皮剥いて 皮剥いて 剥いて たまねぎみたい みんな隠しているけれど 僕とおんなじ 調理してくれたらいいね あはははは 笑って誤魔化す ピエロに敬礼をおくる どこまでも続く線路 私の隣に誰かがいなくても 笑っていられたらいいね

しょうもねえ歌うたっちまった

しょうもねえ歌歌っちまった。しょうもない人生生きてるからだ。お酒を飲むと腰の付け根が痛くなる。セイコーマート、最後の一個のホットシェフ、お前は本当に最高だなあ、ひきつって笑う頬。もうすぐ春が来るって匂いがするけれど、アスファルトの固さに気…

鬱について

*鬱は心の風邪なんて言わせない。 複数の異なる具体が共通に帰結する場合、私たちはその現象に名前をつけて扱う。「鬱」もそのひとつである。夫が交通事故で死に、鬱になる。学校でいじめに遭って、鬱になる。抱えきれない仕事に追われて、鬱になる。直属の…

反射

世界がつまらないのは 私がつまらないから 世界が灰色なのは 灰色の絵の具しか持っていないから あの人を嫌いであることと あの人がそうであることは関係ない話 豊かであれ 世界を豊かにしたければ。