思索記

ものを考える。詩。

僕は天才になりたかった

僕は天才になりたかった

 

なりたかった。

 

歳を取って

 

天才にはなれないことがだんだんとわかってきた

 

でも、僕は確かに天才だった

 

みんなもそうだとわかってきた

 

僕は今もきっと天才だけど

 

天才にはなれない

 

みんなもそう

 

ときどき

 

海を見に行きたくなるのは

 

わたしが天才であることを思い出せるから

 

手のひらに汗がにじんで

 

季節の過ぎゆくさまを感じ取った